Webデザインを学んだら、いきなりフリーランスで何十万も稼げると思いますか?
運良く仕事をもらえたり、プロジェクトに携わることができてフリーランスでもやっていけるかも…!と思う人はいるかもしれません。
しかし、フリーランスでやっていくのも、仕事の基礎がないと長く続けていくことはできません。
私自身も、何の考えも無しにフリーランスを始めて失敗した経験があります。
ここではWebデザインだけでいきなりフリーランスになるのはやめたほうがいい理由5つと、フリーランスになる前にWeb業界でつけたほうがいい知識についてまとめてみました。
Webデザインだけでいきなりフリーランスは辞めたほうがいい5つの理由
どうしてWebデザインを学んだからってすぐにフリーランスになれないの?というと、ズバリ、明らかに経験が足りないからです。
でも、フリーランスのままでも経験は積めるでしょ?と思われた方。
いきなりフリーランスになると、やっぱり最初は会社に所属しておけばよかった・・・と思うようなことがたくさんあるからです。
そんな理由を5つにまとめてみましたので、ご紹介しますね。
理由1:先輩や他の人の経験を学べず一人よがりなデザインになりやすい
今は色んなデザインがネット上にたくさん溢れているので、フリーランスでも参考のデザインを探すことはいくらでもできます。
しかし、参考のデザインを探すことはできても、なぜそのデザインになっているのか?などの経緯を知ることまではなかなかできませんよね。
なので、自分好みのデザインは作れても、相手を納得させられるようなデザインを作る経験が少なくなってしまいます。
結果、一人よがりなデザインや引き出しの少ないデザインになってしまいます。
最初はそれでも仕事が来るかもしれません。
しかしそれを続けていくうちに、この人に頼んでもこういうデザインしか来ないからもう頼まないというようになってくると思います。
Webデザイナーとして成長するには先輩や他の人からの意見を聞いたり、経験から学んだりしてお客さんに出せるレベルに作り上げていくということが大事なのです。
理由2:データの整理方法やコーディングの書き方などを知れない
Webの制作会社やデザイン会社は、組織で運営しているだけあってデザインデータの整理方法やコーディングの書き方が統一されているところが多いです。
最新技術を学んだから大丈夫だろう、ということではありません。
- IDやclass名のつけ方やルール
- 他の人がソースを見てもわかりやすい整理のされ方
- 受注先によって変わるブラウザ対応の仕方
などなど、現場で学ぶことはたくさんあります。
これを知らずにいきなりフリーランスになってしまい、コーディング案件をこなしたとします。
もし急に他の人と共同作業することになった場合や、 技術的に分かる人に中身を見られた場合にとても恥ずかしい思いをすることになると思います…。
理由3:いきなりフリーランスだと、受注できる案件の幅が少ない
Webデザインを勉強したから、これからフリーランスやります!仕事ください!
とSNSなどで発信していることをたまに見かけますが、 おそらく個人から仕事を受注することはできるでしょうが、企業案件などの大きな仕事は受けられないのではないかと思います。
それは何故かと言うとやっぱり実務経験がないからです。
理由4:受注の金額相場などがわからないため稼げない
例えばWebデザインを学んだので、フリーランスでやっていこう!と決めたとします。
一つのサイトにつき、デザイン・コーディングを含めて 5万円で受注をすることにしたとします。
でも、これだとざっくりすぎますよね。
実際のWebの制作会社だと、このサイト制作一つにとっても
- 初期ヒアリング(現状の聞き取り)
- サイト構成の提案
- デザイン(トップ・ベースのページ・下層)
- コーディング(トップ・ベースのページ・下層)
- 動的なページの構築(お問合せやカートなど)
- 全体の進行管理
という風にとても5万円では収まりきれない量の業務が発生します。
自分がどのくらい働くのか?ということを時給換算した場、5万だととんでもない時給になることも…。
もちろんそれが友達からのサイトで練習という場合もあるかもしれないけど…。
このように、金額相場がわからない… ということを防ぐためにも、絶対に現場で
- どのようにお見積もりをして
- お客さんにどのような提示の仕方をしているか
を学ぶ必要があると思います。
逆に、謎の値引きをして安く制作を受けるようなところがあるんですが、そういうところは自分はしないということで反面教師としてとらえておいたほうがいいでしょうね。
理由5:同じ職種の友人や先輩で教えあう環境ができにくい
いきなりフリーランスになってしまうと、他のWebデザイナーとは横一列の繋がりになります。
それ自体が悪いことではないんですが、相手のWebデザイナーもあなたのことをプロとしてみているので、なかなか教えあうというような機会を持てなくなります。
Webデザイナーとしてフリーランスになって失敗した私の体験談
ここからは、それでも私はいきなりフリーランスでやっていきたいの!!という方のために、私の悲しい体験談をご紹介します。
フリーランス=個人的にお金をもらって仕事をするだけの人
という単純なことしか頭になかった私は、先のことも考えずに大失敗をやらかすのです・・・(しかも2回も)
大きなプロジェクトがあるからと仕事を辞めたが、終了して収入も仕事も無くなる
まず1度目にフリーランスになったのは、Webデザイナーになって1年半ほどしたときです。
職場の人間関係が難しくて、また終電を逃すことが多い会社だったので(つまり朝まで・・・)どうしようか迷っていた時に友人を介して「だったら個人で仕事しない?大きなプロジェクトあるよ!」と言われたのがきっかけでした。
当時実家に住んでいたので、すぐすぐの収入がなくなっても困らなかったのがまたいけなかったんですよね・・・。
大きなプロジェクトというのは1つの大規模サイトを立ち上げるということで、私自身は月固定で報酬を得ながら動けるときは動くという、当時の自分にとってはおうちでできるしなんて良い仕事なんだ・・・!というイメージでした^^;
その仕事は、半年ほど続きました。
私はその間、月固定で報酬をもらっているからただ仕事場が家に変わっただけのような感覚で、ラッキー!ぐらいの気持ちで仕事をしていました。
プロジェクトは無事に終了。
クライアントは遠方だったので打ち上げなどはなく「無事にサイトが立ち上がりました!ありがとうございました!」というやり取りをして終了しました。
そのときふと気づいたんです。
あ・・・!ちょっと待って、私無職じゃない!?w
先のこともまったく考えずに、そのプロジェクトに参加するためだけに仕事を辞めてしまっていたので、その先の仕事がありません。当然収入もありません 笑
その時初めてこれフリーランスじゃないな・・・というか、自分にはまだ早かったんだなと気づき、転職活動を開始した記憶があります。。(遠い目)
しかも余談ですが、1年半という実績はちょっと中途半端に短くて、なかなかそのあと転職先が決まらず・・・。1つWebデザイナーとは全く関係のない仕事を経て、ようやくWebデザイナーとして転職しました。
ブラック企業を逃げるように辞めたけれど、何の計画もなくすぐ貧乏に
2度目は、1度目のフリーランス大失敗からようやくWebデザイナーとして転職した会社のあとのこと。
▼下の記事に、大失敗した会社については詳しく書いています▼
この会社を辞めたときは1人暮らしで、先の仕事の見通しもありませんでした。
ただ、こんな会社からは逃げたい!!というような気持ちで辞めたのでこのときも後先考えずですね・・・。
それまで個人でお仕事をもらったことのあるところに片っ端から電話してお仕事をもらったり、お手伝いさせてもらって何とか食いつないでいきましたが・・・。
ついに
来月の家賃払えない・・・
ってことで、やっと自分のやばさに気づくというですね・・・。結局転職サイトで仕事を探して、転職しました。
こんな無鉄砲な人間を雇ってくれた会社に感謝です・・・。
私のように無茶苦茶なフリーランス失敗談を持つ方はいらっしゃらないとは思いますが、個人で仕事をすることの大変さは伝わったかとは思います^^;
個人だったら健康保険も自分で入らないといけませんし、税金を納めるために確定申告もあります。
ちゃんとフリーランスになるための準備をして、さらには最初売り上げが少ないということを見越してお金を貯めてから始めるくらいが丁度良いかと思います。
将来的にWebデザインでフリーランスを目指すなら、一旦Web業界で働こう
長く業界で活躍するためには、焦らずに少しずつ経験を積み上げていきましょう!
だからと言って、どんな会社でも良いわけじゃないんです。特に知り合いの紹介で仕事を決めてしまうのはお勧めしません。
お仕事は知り合いに紹介してもらうのではなく、フラットな状態で紹介してもらえるところにしたほうが良いです(めちゃくちゃ後悔した私・・・体験談書いてます)。
もし今の時点で「もう知り合いに仕事を紹介してもらって、とりあえずデザイナーやってみようと思う・・・。」なんて方は、ぜひ私の体験談読んで思いとどまってほしいです!
将来フリーランスを目指してみたい方は、まずは少しずつ会社に入って経験を積んでみてくださいね^^
先輩や同僚のデザインデータやコーディングの書き方を見て勉強しよう
Webの制作会社であれば、先輩のデザインデータやコーディングデータを見ることができます。
どういうことかというと、見て勉強することができるんです。
自分でネットや書籍で勉強することができるんですが、サンプルデータだったり実際にどういう仕組みでサイトが作られているのかまではわからないんですよね。
その点、実際に会社に入ってデータを見ることで「本当はこういう状態で納品しているんだ」「こういうファイル形式なんだ」なんてわかることって多いです。
実際に自分がフリーランスとして働きだしたときにも本当に役に立ちますよ!
自分の制作に対してどのくらいの金額が払われているか確認しよう
まともな制作会社であれば、自分が一日にいくら売上を作るべきなのか先輩に聞けば、すぐに答えてくれるはずです。
例えば1日に3万円売上げなければならないのだとしたら、1日8時間の業務として1時間あたり3,750円の時給となります。
このように時給に直した場合、どのぐらいの金額で働いているのかを把握することによって、制作のお見積もりもしやすくなります。
会社やWeb業界の人と良好な関係を築こう
他の制作会社が決まったり、フリーランスになるからと言って、ちゃんとした手続きをしないままにいきなり出社しなくなる人ってたまーにいます。
でも、Web業界って狭いんですよね。
そういう態度を取っていたら、すぐに他の会社やWebデザイナーに知れ渡って、自分自身がWeb業界で生きづらくなりますよ。
それに、そんな人とは仕事したくない・・・ということで、フリーランスとしての仕事だってこなくなるはずです。
いつだって良好な人間関係を築けたほうが、あとあと自分が困らなくて済むもんですよね・・・
それでもまだいきなりフリーランスになりたいという人へ
私の友達でもWebデザインを学んだあといきなりフリーランスになった人がいますが、その人の場合はかなり先のプランや環境を事前に用意していたそうです。
会社に属さずにフリーランスとして働くにしても、私のように準備がない・浅い考えのままでいきなりなるのはやめた方がいいですよ!
少なくとも、どうやってWebデザイナーとしてフリーランスで仕事をやっていくのか具体的なプランは必要です。そして、そのプランが客観的に見て実現可能かどうかの判断も大事です。