GIMPには、たくさんの切り抜き方法があります。画像を合成するのに切り抜きは欠かせないのですが、どんなときにどんな切り抜き方をすればいいかわからないですよね。
この記事では、GIMPで使える切り抜きの方法をまとめました!これだけ知っておけば、画像の切り抜きで困ることはほぼ無くなりますよ!
方法1:図形の形に画像切り抜き・・・四角に画像を切り抜く
まずは必ず覚えたい基本の操作から。四角や円形など、図形の形に切り抜きたいときの方法です。
四角に画像を切り抜く方法は、2つあります。
1つ目は「切り抜きツール」を使って、画像の選択した部分だけを残す切り抜き方法。
2つ目は「矩形選択ツール」を使って、画像からコピーしたい部分を選択して、ペーストする方法です。
四角の切り抜き方法その1:切り抜きツールを使って画像ごと切り抜く方法
四角の切り抜き方法その2:矩形選択ツールを使って画像から選択部分だけをコピー&ペーストする方法
今回は画像を1枚しか開いていないのでわかりやすいですが、たくさん画像やレイヤーがある場合は、選択したいところにレイヤーが選択されているのか確認してからコピーしましょう!
新しい画像を開くと、写真のところとは別に新しい画像がタブで表示されます。
ペーストは「Ctrl+V」で貼り付けられます。選択した部分だけが、ペーストされました。
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方法2:図形の形に画像切り抜き・・・円形に切り抜き
円形の切り抜き方法その1:円形に画像を切り抜く場合は、円形選択ツールで!
続いて、円形に切り抜きたい場合はどうしたら良いかというと、こちらは切り抜きツールは使えません。(切り抜きツールは四角に切り抜くものなので)
そこで、矩形選択ツールのお隣になる、「円形選択ツール」を使って選択範囲をコピーし、ペーストするという方法をとります。
コピーからペーストまでの方法は矩形選択ツールと同じですので、試してみてくださいね。
円形の切り抜き方法その2:正方形や正円などを切り抜きたいとき
さて、ここまでの段階で四角に切り抜く・円形に切り抜くの2つを説明しましたが、正方形や正円に切り抜きたい・選択したい場合はどうしたら良いのか?ということについて説明します。
正方形に切り抜きたい場合
正方形に切り抜きたい場合は、「矩形(くけい)選択ツール」を使ってドラッグで選択した際、ドラッグしている手を離す前にShiftキーを押します。
そうすると、適当に選択していた矩形がキレイな正方形に選択されます!
正円に切り抜きたい場合
正円に切り抜きたい場合は、「円形選択ツール」を使ってドラッグで選択した後、ドラッグしている手を離す前にShiftキーを押します。
そうすると、適当に選択していた円形がキレイな正円に選択されます!
ここまでできれば、図形で切り抜く方法はバッチリです!
方法3:ファジー選択ツールを使って、境界線がはっきりしているものを切り抜く
次は、図形に切り抜けないけど、境界線がはっきりしているものを切り抜きたいときの方法です。
境界線がはっきりしているということが前提なので、「ファジー選択ツール」を使って切り抜きます。
ファジー選択ツールはクリックしたところから似た色(近似色)を選択するツールです。
現時点では、青色すべてが選択されているわけではありません。
しきい値を大きくすると青全体が選択できるようになりますが(選ぶ近似色の範囲が広くなるため)そうすると気球まで選択されてしまう可能性があります。
そこで、今回はしきい値を変更して選択しなおすのではなく、しきい値はそのままでShiftキーを押しながら他にも選択したい範囲をクリックします。
そうすると、選択範囲が拡張されていきます。
このままだと切り抜こうとしたときに、青い空の部分が切り抜かれてしまいます。
そこで、Ctrl+Iを押して、選択範囲を反転させます。
新規画像を開き、コピー&ペースト。気球だけが切り抜かれてペーストされました。
方法4:色域選択ツールを使って、背景の画像を文字の分だけ切り抜いてみる
次は、「色域選択ツール」を使ってみましょう。
例えば、背景のパターンから文字の分だけ切り抜いてみたい・・・そんなときに使うのにオススメです。
このとき、レイヤーは図のようになっているはずです。
選択した上で、文字の上をクリックすると、文字のところだけが選択されているのがわかります。
ここで、コピー(Ctrl+C)をしておきましょう。
新しく画像を開き、ペースト(Ctrl+V)をすると、テキストの分だけが切り抜かれているのがわかります。
方法5:前景抽出選択ツールを使って選択し、切り抜く
次は「前景抽出選択ツール」を使います。
こちらは、しきい値を設定して選択していく「ファジー選択ツール」とは違って、自分で選択したい部分をなぞって選択していく方法となります。
今回は、オレンジ二つを影を含めずに切り抜いてみたいと思います。
ツールを選択後、マウスで切り抜きたい画像の周りをざっくりと囲みます。
囲むときの注意点
囲むときは、最初の線と最後の線が合うところまで囲みます。
黄色い丸がつけば、きちんと囲めているということになります。黄色い丸がついたら、Enterを押してください。
Enterを押すと、囲んでいないところが濃い青になり、自分で囲んだところが薄い青になります。
次に、ツールボックスの下にでてきている「前景抽出選択」の中身を調整します。
「前景を描画」にチェックが入っているか確認し、ストローク幅は50に設定しましょう。
「前景を描画」にチェックを入れたら、選択範囲として残したい部分を選んでいきます。
今回の場合は、オレンジの部分を残したいので、ふちのあたりを囲みます。手を離すと、なぞったところが透明になるのでEnterを押してください。
そうすると、オレンジの部分が選択部分として選ばれました。
しかし、まだオレンジの中にも濃い青の部分があります。同じようになぞる→クリックしていくことでオレンジの部分だけが選択されるようになるので、青い部分だけをなぞっていきます。
オレンジの中にある青のムラをとっていきます。繰り返していくと、オレンジがはっきりと選択されるようになりました!
オレンジはきちんと選択されましたが、周りの影が入ってしまっています。
それを取り除くために、次は「背景を描画」にチェックを入れます。残さない部分を選んでいきます。
「前景を描画」したときと同じように、背景にしたいところ(=選択しないところ)をなぞっていきます。選択したい部分と、残さない部分がはっきりしてきたら選択は完了です!
自分でブラシで行うため、丁寧に細かい部分まで選択ができます。
コピー(Ctrl+C)をした後、新しい画像を開き、ペースト(Ctrl+V)します。
GIMPでの切り抜き方法まとめ
これまでご紹介したGIMPでの切り抜きをまとめました!
GIMP切り抜きまとめ
- 図形に切り抜くには、「切り抜きツール」「矩形選択ツール」「円形選択ツール」などを使い分ける。
- 境界線がはっきりしているものは、「ファジー選択ツール」でしきい値を調節して切り抜く。
- 背景から文字などを切り抜く場合は、「色域選択ツール」を使って切り抜く。
- 細かく選択していく場合は、「前景抽出選択ツール」を使って自分で選択範囲を指定して切り抜く。
シーンによって使い分けてみてくださいね。